語り継ぎたい存在価値 Vol.2
今回は、ハンス・J・ウェグナーの 「Bear Chair」 をご紹介します。
近年、PP Mobler (PPモブラー)社より待望の復刻生産が始まりました。
製作工程は当時とほとんど変わらず、PPモブラーの職人が時間をかけて
一脚ずつ丁寧に作り上げています。
椅子の背面(後ろ)にはヤシの繊維、背面(前)には馬の毛を詰め、
どんな姿勢で座っても身体をしっかりと支えてくれる構造になっています。
座ると包み込まれるような椅子です。
アームのしたが空いているので斜めに座ったり、立ち上がる際も楽なチェアです。
ウェグナーの娘、マリアナ・ウェグナーのこんなお話があります。
「父は老人ホームに2つの家具を持っていきました。どの家具を選んだかわかりますか?」
デンマークでは老人ホームに入居する際に、家具の持ち込みが
数点に限り認められているところがあります。
ウェグナーは何百点もの作品を発表していて、
どの作品も素晴らしく、どれを選んだのかとても興味があります。
答えは・・・
Bear Chair と デスクPP305 だったそうです。
たくさんの美しい椅子をデザインしたウェグナーがこの椅子を選んだ理由は
実は彼自身が一番座りやすい椅子だからなのです。
長時間腰掛けていてもけっして疲れることがなく、ゆったりと過ごすことができるこの椅子で、
デスクに飾られた大切な物や写真と一緒に、心地よい時を過ごしたのでしょう。
Bear Chairに腰かけた目線の先にある、PP305は
その美しい形をずっと眺めていたい作品なのだそうです。
お店では、こちらのお色のBear Chairをご覧いただけます。
ウェグナーも感じた心地よい時間を、ぜひ感じてみてください。
PP305はこんなデスクです♪