ハンギングエッグチェア
2月最初のブログです。
寒さはいつになったら和らぐのやら・・・。
まだ雪が降りそうな予報もありますし、みなさま温かくしてお過ごしください。
今回の商品紹介は、BoSTYLEの入口付近で、いつも皆様をお迎えしているこのハンキングチェア。
デンマーク出身のナンナ・ディッツェルと、夫のヨルゲン・ディッツェルが、1957年に発表したチェアです。
彼女のデザインのキーワードは円や楕円。女性であり母である彼女のデザインの原点は、いつも暮らしの中にあって、
空間を邪魔しないシンプルな美しさ、モダンであり柔らかさを感じる姿、素材から生まれる曲線が醸し出すやさしさと楽しさは、
快適な暮らしを一番に考えた、彼女の思いやりがカタチになったものばかり。
ブランコのように上から吊るす椅子は、他にもいくつかデザインされていますが、発表から60年たった今でも
生産されて続けているということが、愛され続けられている証であり、何よりも完成度の高さを証明しています。
写真:ナンナ・ディッツェル
吊り下げられて揺れるものではありますが、ブランコのような遊具的な椅子というより、高さを低くし、
チェアーの中に体を預けることにより、心から包まれる感覚が産まれ、癒し系の家具として評価されています。
また、足の部分にオットマン的なものを設置したり、胡坐をかいたり、腰掛けるだけでなく、クッションなどを置いて
深く腰掛けるとリラックスした気分に。
あまり眠れないお年寄りに向けての高級高齢者施設病院のドクター休憩室に採用され、
落ち着いて安らげる家具として評価が高く癒しの家具として再認識されています。
元々は、梁など天井から吊るして使うものでしたが、専用のスタンドを使うことによって、色々な場所に置くことも
できるのはうれしいです。
店頭では、専用のスタンドを使っているので、前後左右へのやさしい動きと共に、座った時の下に沈み込む感覚、
卵型で包みこまれるような感覚、何ともいえない安心感は、他のチェアにはない感覚です。
手作業で丁寧に編み込まれた本体は、どこか温かみがあり、陽を受けるとすき間から光が木漏れ日のようです。
大人も子供も、この籐でできた卵型の浮いたチェアを見つけると「座ってみたい」、と思われるようで、
みなさん嬉しそうに揺られています。
ラタン(籐)という素材の家具が少なくなってきていますが、生命力が強い為強度もあり、素材としては木材に比べ、
使えるものになるまでの成長も早い、優良な素材です。
自由で立体的な加工ができるのも、柔軟な素材であるラタんだからできること。
また改めて、家具として幅広く浸透していくと、さらに面白い家具が生まれるのではないかと思います。
このハンギングチェアに揺られて、春の風を感じてみてください。