語り継ぎたい存在価値 Vol.6
語り継ぎたい存在価値。
今回、ご紹介いたしますのは、「The Chair・ザ チェア」。
今回、ご紹介いたしますのは、「The Chair・ザ チェア」。
Hans J. Wegner(ハンス J ウェグナー)デザインの名作です。
ウェグナーの名作といわれるものは数多くありますが、
その中でも、プロポーションの美しさ、掛け心地の良さなど、
あらゆる点において最も完成度の高いチェアです。
ウェグナーの名作といわれるものは数多くありますが、
その中でも、プロポーションの美しさ、掛け心地の良さなど、
あらゆる点において最も完成度の高いチェアです。
まさに、椅子の中の椅子。
ウェグナーの代表作といえる一脚のお話です。
1950年、この作品はコペンハーゲンで行われた「DEN PERMANENTE」とい展示会で、
当初ウェグナーの作品を数多く製作していた家具メーカーのヨハネスハンセン社から発表された。
展示会用に4脚製作され、ダイニングセットとしてディスプレイされた。
しかし、この椅子は当時としてはあまりにシンプルだったため、
アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」のようだといわれ、その4台すら売れなかった。
ヨハネスハンセン社も、この作品の販売に弱音を吐くほどであった。
しかし一人のアメリカ人が、誰もが見向きもしなかったこの椅子に注目していたようだ。
フェア終了後、アメリカから300台もの注文が入った。
当時この椅子は1つ1つが職人による手作りだったため、とてもその大量の依頼をうけられず、
残念ながら断ることになってしまった。
10年後の1960年、アメリカのCNNテレビで大統領候補ジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンが
この椅子に腰掛けテレビ討論を行い、アメリカをはじめ世界中の注目を集めることになった。
当初「Round Chair」という名前がついていたこの椅子は、「The Chair」という愛称で呼ばれるようになり、
世界中で愛される椅子となっていった。
この作品の初期の物は、背の部分に籐が巻かれている。
そこにあるフィンガージョイントをウェグナー自身がみっともないと思い、隠していたのである。
当時、木と木の接合部分は見えないようにすることが一般的だった。
その後、フィンガージョイント部分の美しさは再認識され、今ではこの椅子の重要な特徴のひとつになった。
現在、この 「The Chair・ザ チェア」 を制作するのは、「PPモブラー社」。
職人の魂を大切に守り続けてきた家具工房。
熟練の職人技だけでなく、素材である「木」と向き合うことが徹底して重んじられている。
この「The Chair・ザ チェア」。
11月にBo STYLEでもご覧いただけます。
また、入荷のご案内もいたします。
ぜひ、ご自身の目で、感覚で、感じてください。
お楽しみに。