語り継ぎたい存在価値 Vol.5

今回は、PP701誕生のエピソード。

100831_1.jpgある方が、ウェグナーに一度聞いてみたかった事を尋ねました。
デザインした中でどの椅子が一番好きなのか、という事。
するとウェグナーは、考える間もなく、
全く同じ質問をインガ夫人(ウェグナーの妻)に投げかけた。
インガ夫人が選んだ椅子は、ウェグナーが彼女の為に
デザインしたダイニングチェア、PP701であった。

100831_2.jpgその答えを聞き、ウェグナーは、こう答えた。
「私もPP701が最も好きである。
 なぜならインガが好きな椅子だから。」と。
微笑ましく、温かなウェグナー夫妻の会話だった。

もちろんデザインした全ての作品を愛し、
一つでも抜けてしまえば、現在のように
500にも及ぶコレクションは成り立っていない、とも答えたそうです。

ウェグナーのデザインには、一つ一つ意味や繋がりがあり、
今のコレクションが出来上がったのである。
どれ一つとして彼の一連のコレクションから抜くことは出来ない。



コペンハーゲンの工芸博物館内のカフェでも使用されているこのダイニングチェア。

100831_5.jpg1965年にデザインされました。
木材にこだわり続けたウェグナーには非常に珍しく、スチール脚を使った軽快な印象。
自邸に合うダイニングチェアを探していたが、イメージ通りのデザインに出会えず、
自らがデザインしたダイニングチェアをヨハネスハンセン社に生産を依頼した。
当初、自宅ダイニングだけの為に6脚のみを注文したが、
是非、これを商品化したいというヨハネスハンセン社からの熱い要望があり、
コレクションに加わったのである。

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現在、このダイニングチェアPP701は、
熟練された職人を持つPPモブラー社で生産されている。

100831_3.jpg100831_4.jpgデンマークの一般家庭でも高い人気を誇るPP701は、
手の届きやすい価格帯へと見直しをされた。
デザインから約半世紀の時を超え、
ウェグナーの自邸から誕生したこのダイニングチェアは、
日本国内でも人気です。



Bo STYLEでも、人気のPP701。
ダイニングチェア用に、パソコン用にと、
色々な用途で選ばれてきました。
それは、美しいデザインだけでなく、
もちろん座り心地も気に入っていただけたからです。
あなたにとっての、心地良さを発見してください。

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