Cecilie Manzセシリエ・マンズ

セシリエ・マンズはデンマークのオズスヘアアズ出身。著名な陶芸家であるボディル・マンツを母にもつ。幼少期には両親と共に有田町(窯業の産地)で過ごした経験を持つ親日家。アートやデザインに造詣の深い両親のもとで育った彼女にとって、デザインの道に進むのは自然なことだった。1992年にデンマークデザイン学校に入学した後、ヘルシンキに留学し、本格的にデザインを学んだ。

デンマークデザイン学校を卒業した翌年の1998年には、自身のデザインスタジオ「マンズラボ」を開設。以後、このオフィスを拠点に活動している。フリッツ・ハンセンにとって、セシリエ・マンズが機能や品質に強い興味を持っていることは非常に意義深い。「私は私にとって意味のある物を使って創作に取り組んでいます。機能はとても大切で、かつデザインにふさわしい意味づけが出来ない場合には創作すらしないほうが良いと考えています。」とマンズは語っています。 詩的センスに満ち、アイデアの本質を明確にしたミニマルなデザインは高い評価を受けている。 2007年にプロダクトデザイナーとして名誉あるフィン・ユール ブライズを受賞。

セシリエにはメーカーとしてのコンセプトとは別に、ひとつの「ユニバース(命題)」が与えられた。彼女に与えられたユニバースは「アート」。 このプロジェクトで彼女は「Caravaggio」と「MONDRIAN」という2つのプロダクトを生み出した。

Caravaggioは、そのとてつもない才能を評価されながらも自由奔放な生き様で、不名誉な生涯を終えたイタリアンゴシックの画家のことである。 黒を背景に裸身の男が赤い毛布をまとって横たわっている作品。劇的な明暗対比とそこに秘められた精神性。この1枚の絵にインスピレーションを受け、「Caravaggio」は生まれた。柔らかい佇まいのフォルム、主題を際立たせるカラーと黒と赤のコントラスト。アイデアの本質を明確にしながらも決して機能美だけでなく、どこか詩的センスを感じさせてくれるモデル。