CH24~Yチェア~

今回は、北欧家具を代表するチェア「Yチェア」をご紹介します。

 

皆さん「Yチェア」という名前で馴染んでいらっしゃる方が多いと思うのですが、

正式には「CH24」「WISHBONE CHAIR(ウィッシュボーンチェア)」と言います。

「Yチェア」という名は、背面の形状がYの字のようになっているところからきた名称です。

 

 

このYチェアをデザインしたのが、北欧デザイン界の巨匠、20世紀を代表するデザイナーのハンス・J・ウェグナーです。

ウェグナーは、生涯500種類以上のチェアをデザインしており、その中でもこのYチェアは、70年以上作り続けられ、

世界で最も売れた椅子と言われています。

実はウェグナーは結構な長生きで、2007年に92歳で亡くなっているのですが(けっこう最近!)、

こんな有名なデザイン界の巨匠と、少しだけ同じ時代を過ごせていたと思うと、なんだか感慨深いですね。

 

 

このYチェアを作っているのが、北欧デンマークに本社を持つ、CARL HANSEN&SON(カールハンセン&サン)社です。

創業100年を超える歴史あるメーカーで、ハンスJ.ウェグナーの家具を最も数多く製作するメーカーとして知られるほか、

モーエンス・コッホ、コーア・クリント、オーレ・ヴァンシャーなどデンマークを代表するデザイナーの名作を製作しています。

1908年の開業時から「優れたクラフトマンシップと最新技術を融合すれば、リーズナブルな価格で、質の高い家具を

人々に提供できる」と、現在もこの考えが変わることなく、世代を超えて長い間使用できる、耐久性に優れた家具を

製作し続けてします。

また、使用する素材も、サスティナビリティ(持続可能なという意味で、「ロハス」の「ス(S)」にあたる言葉 ※ロハスは造語)で、

環境に配慮し、厳しく管理された森林から伐採した木材のみを使用し、伝統的な家具職人の技巧と最新技術をもって、

世代を越えて愛される家具を製作しているメーカーです。

 

 

このYチェア、特徴がいくつかありますが、まずは笠木と呼ばれる背もたれは、1本の木をスチームによる曲げ加工で

製作しています。

細身ではありますが、華奢ではなくスマートで、預けた背中を支えてくれます。

背中だけでなく、肘を掛けるアームとしても身体を支えてくれる、一見すると細腕は、よく見るとしっかりと足元から支え

られていて一体感があります。

その後ろ脚は、椅子の部材としても一番荷重のかかるところで、その為、後ろ脚と座面の繋ぎ部分が、この椅子の中では

一番太くなっていることに気が付きます。これは、接合部分の接着面を増やし、強度を増す為です。

また、脚部の横貫も手前から後ろに向かってさりげなく太くなっていて、こちらも同じように強度の一端を担っています。

必要なところに必要なことをしているのにそれを主張せず、シンプルで美しく見えるものほど、実は見えないところや

気づかないようにさりげない工夫がされているというスマートさが、全体の美しさにつながっているんだろうなと思っています。

 

 

座面は120mもあるペーパーコードで編んでいて、使い込むうちに自分の座り心地の良い形状に馴染んでいきます。

このペーパーコードは、樹脂が含浸された紙を3本撚り合わせて出来ているので、水もすぐには染み込まず、

汚れが付きにくいです。普段のお手入れは、掃除機ですき間のゴミを吸い取るくらいで十分です。汚れが付いてしまった時は、

タオルなどに汚れを吸い込ませ、固く絞ったタオルなどでこすらないように、その部分を叩いて下さい。

また、コードを撚り合わせている為、簡単に切れるものではなく、通常10年~15年程はそのままお使いいただけると

言われています。しっかりと締めて張られていることで、この椅子の形状を安定して保ってくれているペーパーコード。

実は強度にも一役買ってくれているのです。

 

去年の6月に「Yチェアの秘密」というイベントを行い、座面の張替の実演を見ましたが、こんな風に編んでいくんだなと、

製作過程を見ることができるというのは、興味深くとても面白かったです。

 

「Yチェアの秘密」トークイベントレポート!!

(過去のブログ参照)

 

 

それなのに、持った時の重さが軽いので、お掃除をする方、重い椅子は疲れるという方には嬉しいポイントもありつつ、

ペーパーコードの座面は、座った最初の当たりがヒヤッとしないので、夏も冬も気にせず使っていただけます。

 

いろいろ思いを馳せながら書いていると、Yチェアの素敵さに改めて気づかされますね。

私は個人的に、「1周まわってやっぱり欲しいと思う椅子」だと思っているのですが、1度北欧家具に足を踏み入れて、

Yチェアを知り、「Yチェアって結構メジャーだし、他にないかな~。」って思って結局迷われている方は、原点回帰して、

もう一度改めてYチェアを試してみると、また違った良さに気が付くかもしれませんよ!

(と言っておきながら、これから他の素敵な北欧の椅子も随時紹介していくので、矛盾したこと言ってたらすみませんと、

先に謝っておきます。。。)

 

 

樹種も多く、カラーバリエーションも豊富なので、お気に入りの1脚を見つけて下さい。

そして、360度いろんな角度から見て、いろんな角度で座ってみて、マイYチェアを楽しんでいただきたいです。