語り継ぎたい存在価値 Vol.11

語り継ぎたい存在価値。
今回は、「SPANISH CHAIR・スパニッシュチェア」をご紹介します。

110821_1.jpg1959年、ボーエ・モーエンセンが自邸のためにデザインした「スパニッシュチェア」。
時間がたつほどに革が馴染み、使うほどに味わいがでる魅力的な椅子です。

スペインの貴族階級で使われていた一枚革の木製椅子に
インスピレーションを受けたことから「スパニッシュチェア」の名前が付いたと言われています。
また当時、車の普及により仕事を失った馬具職人の救済も考慮された
一枚革のデザインが、いかにも庶民派のボーエ・モーエンセンらしい。
使っている革は、モーエンセンの椅子を製作しているフレデリシア社が認めた
スペインのタンナー(革をなめす業者)からのみ仕入れをするというこだわりです。

110821_2.jpg時が経つにつれて伸びてくる一枚革は、座面裏のベルトで締める仕様になっていますが、
モーエンセン夫人は、そんなに簡単なことではないのよ。と笑って言っていたそうです。
特徴的な幅広のアームは、アーム本来の機能としてだけでなく、
新聞・リモコンや飲み物などを置けるサイドテーブルとして使えます。
この椅子があれば、コーヒーテーブルは要りませんね。
一人で過ごすリラックスタイムにピッタリの椅子です。

110821_3.jpg一見すると荒削りで男性的に見えるこのスパニッシュチェアは、
アームの裏側にゆるいテーパーがかけてあったり・・・と、実は繊細なディテールを持つ椅子です。
力強く、素朴で美しい、まさにモーエンセンの人間性が表れた椅子ではないでしょうか。

モーエンセンは、58歳の短い生涯を終えるまでに、庶民のために
美しい家具を作ることにその身を捧げたことで有名です。
自宅をアトリエにしていたモーエンセンは、自らが暮らしている空間をヒントに、
日常使いの家具をデザインしていました。
より生活になじんだ家具が生まれたのは、そのような環境があったからこそでしょう。

Bo STYLEでは、黒い革のスタイリッシュなスパニッシュチェアを展示しています。
もちろん、ナチュラルレザーもご購入いただけます。
まずは、座り心地をお楽しみください。