語り継ぎたい存在価値 Vol.3
今回は、ボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)のJ39誕生ものがたり。
ある日、コペンハーゲンにあるFDB(デンマークの生協)の本社から、
その内容は、庶民のための椅子を作って欲しい、という依頼だった。
デザインは彼に任すものの、条件がいくつか提示された。
ひとつは、工場が最近購入したばかりの、木の回転加工機を使用すること。
そしてもうひとつは、国内で調達可能な木材(オークとビーチ)を使うことだった。
そうすることで生産コストを抑えようとしたのだ。
もともとFDBはスティックバックのソファーやチェアの生産を得意としていた。
当時は、戦後だったため、人々は職を求めて地方から
首都であるコペンハーゲンに集まってきていた。
これにより、都市の住宅事情は厳しくなり、
家具のサイズも限定される、という背景もあった。
そして、生協の基本姿勢である庶民の為の製品であるということから、
価格を抑えた家具が求められた。
この依頼に応じ、モーエンセンは早速設計をはじめた。
製作コストを抑える為に、彼はこの椅子のパーツを4つに絞った。
脚、背(無垢の曲木)、座面、そして脚の間にまたがるスティックバーである。
FDBの工場はタームという地方都市に在ったが、
労働力がコペンハーゲンに流れてしまった為、
人の手をあまりかけずに生産できる機械加工でパーツを生産した。
ただし座面はペーパーコード(紙紐)から出来ているため、人手がかかってしまう。
これを町の手の空いた人達に呼びかけて、歩合制でこの作業をやってもらった。
その中には郵便屋さんや、漁師、農家の人などがいた。
ただ、一番難しい曲げ木の背部は、工場の職人に任せられた。
1947年、このようにして出来上がった椅子がJ39である。
労働力がコペンハーゲンに流れてしまった為、
人の手をあまりかけずに生産できる機械加工でパーツを生産した。
ただし座面はペーパーコード(紙紐)から出来ているため、人手がかかってしまう。
これを町の手の空いた人達に呼びかけて、歩合制でこの作業をやってもらった。
その中には郵便屋さんや、漁師、農家の人などがいた。
ただ、一番難しい曲げ木の背部は、工場の職人に任せられた。
1947年、このようにして出来上がった椅子がJ39である。
モーエンセンならではの簡素で誠実なデザイン。
J39は、そのインテリア空間もやさしく柔らかな雰囲気にしてくれます。
Bo STYLEには、ボーエ・モーエンセンのデザインした革の椅子やソファを展示しています。
ぜひ、実際にモーエンセンのデザインを見にいらしてください。